宮廷時代劇の最高傑作とも言われているドラマ『宮廷の諍い女』
皇帝の寵愛をめぐり、息をつかせぬ妃賓たちの激しく悲しい爭いが・・・
『宮廷の諍い女』をより理解を深めて2倍楽しむために!
相関図、そして前半の『華妃としんけいの諍い』を整理した図を作ってみました。
寵愛を得る為には手段を選ばない華妃
VS
天性の大胆不敵さと天才的な人心掌握術を持つ甄嬛
その凄まじさを見ていきましょう!
【amazon評価】 評価レビュー:★4.4 クチコミ:195件
原題名:甄嬛伝
国:中国
監督:ジョン・シャオロン
ジャンル:恋愛、歴史
あらすじ:皇帝の側室が皇后に上り詰めるまでの愛憎劇
出演者:スン・リー, チェン・ジェンビン, エイダ・チョイ, ジャン・シン, リー・トンシュエ, リウ・シュエホァ
放送時間:44分
エピソード:76話
相関図を見る前に!まずは『宮廷の諍い女』のあらすじとみどころを理解しよう!
1722年、9人の皇子たちによる皇位を巡る争い“九王奪嫡”の末、愛新覚羅・胤禛(あいしんかくら・いんしん)が康熙帝(こうきてい)の後を継いだ。それは清の第5代皇帝・雍正帝時代の幕開けであり、皇帝の寵愛を巡る側室たちの激しく哀しい諍いの始まりでもあった…。皇后と側室の華妃が勢力を二分する後宮に、側室として宮廷入りした甄嬛(しんけい)は、華妃と手下の側室が仕掛けてくる冷酷な罠を智慧で乗り越えて華妃を打ち倒す。諍いで心も疲れ切った甄嬛は宮廷を後にし、外の世界で皇帝の弟・果郡王と安らぎの時を得るが、幸せな時間の裏では、甄嬛を不幸に陥れる真の敵の影が忍び寄っていた。甄嬛の辛く哀しい人生の扉が、今、開かれる―。
引用:amazonより
時代背景を理解するとより理解がすすむ!政治と後宮の密着した関係
原作は、ネット小説『後宮 甄嬛傳』。もともとは、甄嬛(しんけい)の伝記について描かれた物語です。
架空の世界の小説でしたが、ドラマ化するにあたって清朝時代が選ばれています。
清朝時代といえば、満州族が国を治めた時代。
在位 61 年もの長期政権を維持した康煕帝の跡を継いだ雍正帝が、国をまとめていくにあたり非常に苦労した様子が描かれていますね。
雍正帝といえば、『宮廷女官 若曦』でも話題となりましたが、厳格な政治で清朝の体制の維持を図り、清朝の全盛期の皇帝となった人物。
他国から侵攻を防ぎ安定政権を保つために、大将軍である年羹堯の力が必須だったことからも、その妹である華妃を長期にわたり寵愛しています。
ドラマの中で、年羹堯の活躍と華妃の寵愛が一蓮托生となっており、後宮での権力図がそのまま反映されているところが大きな特徴だったりしますね。
また、満州族と漢族における政治・後宮への影響も見逃せません。
後宮において、皇太后・皇后は満州族であるウラナラ氏が世襲。
史実によると、年羹堯ら年族は漢族でしたが、満州族という設定になっているのでは?
主人公の甄嬛(しんけい)が、漢族出身の妃賓として秀女選出されています。
漢族出身の甄嬛が、満州族である華妃・そして皇后へどう立ち向かっていくのか!
中国においては、やはり漢族主体の国ということもあり、満州族に打ち勝つ漢族の姿をあっぱれと楽しむ風潮があるのかもしれませんね!
時代背景を理解しているとより楽しむことができるドラマです。
中国の序列による後宮での影響力は絶対!しんけいの変貌ぶりがおもしろい!
このドラマを見ていて、もう一つ面白いなと思ったのが清朝における後宮の序列。
まるで、日本の大奥と同じ世界がどこの国にもあるのだなと興味をそそりました。
大奥とは違うところは、子供がなくとも位が優先されるところのようですね。(日本は子供が生まれると側室になる)
妃賓たちにはそれぞれ序列があり、跡継ぎを産むことで強大な権力を持つようになります。
1. 皇后
- 地位: 後宮の最高位。
- 役割: 皇帝の正妻であり、後宮全体を統括する責任を持つ。皇太子の母親となることが期待される。
2. 皇貴妃
- 地位: 皇后に次ぐ地位。
- 役割: 皇帝の最も寵愛を受ける妃。特別な権限を持つこともある。
3. 貴妃
- 地位: 高位の妃の一つ。
- 役割: 皇帝に寵愛され、後宮内で影響力を持つ。
4. 妃
- 地位: 中位の妃。
- 役割: 皇帝の寵愛を受けるが、貴妃や皇貴妃ほどの権威はない。
5. 嬪
- 地位: 中下位の妃。
- 役割: 皇帝の側室として、比較的地位は低いが、後宮の一部を占める。
6. 貴人
- 地位: 下位の妃。
- 役割: 地位は低いが、後宮内での役割はまだ重要。皇帝の寵愛を得ることで、昇格の可能性もある。
7. 常在
- 地位: 非常に低い序列。
- 役割: 皇帝の寵愛を得られることは少なく、後宮内での権限もほとんどない。
8. 答応
- 地位: 後宮内での最下位。
- 役割: 主に雑務を担当し、他の妃たちに仕える立場。
9. 官女子
- 地位: 後宮内での最低階層。
- 役割: 皇后や妃たちに仕える役割を持ち、直接的な寵愛の対象ではない。
基本的には入宮した当時は家柄で位が決まりますが、懐妊し皇子や皇女を産むことで位が上がっていきます。
場合によっては、皇宮で働く官女子であっても、皇帝の寵愛を得て子供を産むことで成り上がることもありえる世界ですね。
驚くところが、中国における序列における絶対支配主義。
上の位の妃賓たちの機嫌を損ねるようなことがあると、下の位の妃賓は簡単に罰せらる様子が多々出てきます。
華妃は、親の家柄を鼻にかけ傲慢な態度を取った夏常在へ一丈紅という下半身不随になるような罰を与えました。
主人公である甄嬛(しんけい)も、また、上位である斉妃から、血がでるまで頬を叩かれるという罰を受けています。
いつ飛んでくるかわからない権力のこぶしを避けるためには、皇帝の寵愛を得て上位の位へ昇りつめるしかない!
そこに気が付いた甄嬛は、寵愛を取り戻す決意をし、たくましくしたたかに変貌していきます!
おもしろいのは、甄嬛の心の変化に伴い、化粧がどんどん濃くなっていくところ!
すっぴん同然でも充分可愛らしく綺麗なスン・リーでしたが、化粧の仕方で謙虚ながらも芯の強さがにじみ出てきていました。
『宮廷の諍い女』敵・味方一目瞭然の相関図を作ってみた!
『宮廷の諍い女』の相関図
後宮における妃賓たちを派閥別に相関図にまとめてみました。
『宮廷の諍い女』の中で、徹底的に違うのは、華妃や皇后は味方となる妃賓たちを手下として使うこと。
それに比べ、甄嬛(しんけい)は友情をもって接していくところが大きな違いです。
こうやって相関図を作ってみてみると、おじさんである康煕帝に、こんなに綺麗な人たちが全員妻だったなんて・・・。
もう少し、イケオジだったらよかったのにと思ってしまった(笑)。
でも、最終的には唯一のイケメンである果郡王と甄嬛との恋愛物語となるので、これはこれで良かったのかなと、無理やり自分を納得させてしまいました(笑)。
『宮廷の諍い女』の登場人物(前半)序列順
緑:甄嬛の味方
橙:甄嬛の敵である華妃一派
黒:中立
皇后:蔡少芬(エイダ・チョイ)
純元皇后の庶妹。純元皇后死去後に、皇后に就く
華妃:蔣欣(ジャン・シン)
雍正帝から最大の寵愛を受ける後宮の実質的権力者
斉妃:張雅萌(チャン・ヤーモン)
第三皇子の母
端妃:李宜娟
最古参の妃。病気療養中。堕胎薬を飲ませたと華妃に勘違いされて恨まれ、虐待を受け続ける。
敬嬪:楊鈁涵
温厚で慎ましやかだが芯の強い女性。甄嬛の娘である朧月公主を預かり育てる。
麗嬪:李佳璇
華妃一派。余答応に指示を出し甄嬛を毒殺しようとする
莞貴人(甄嬛):孫儷(スン・リー)
主人公。天性の大胆不敵さと天才的な人心掌握術の持ち主
沈貴人(沈眉荘):斕曦(ラン・シー)
甄嬛が姉のように慕う生涯の親友
曹貴人:陳思斯
温宜公主の母。華妃派の智将
富察貴人:趙秦
入宮当時は周りと距離を置いていたが、妊娠してから傲慢な態度を顕す
欣貴人:万美汐
後宮には珍しく、立場で態度を変えない人柄の持ち主。
祺貴人:唐芸昕(タン・イーシン)
年羹堯排斥後、功臣の娘として入宮。気が強く嗜虐的。
淳常在:譚松韻(タン・ソンユン)
14歳で甄嬛とともに入宮。甄嬛と同じ宮殿に住み、彼女を姉のように慕う
安答応(安陵容):陶昕然(タオ・シンラン)
甄嬛の妹分から、皇后派へ
余答応:崔漫莉
”紅梅園の女子”である甄嬛になりすまして倚梅園宮女から答応となり一時寵愛を得る
芝答応:劉釔彤
華妃宮女でもあり、華妃にどこまでも忠実
妃賓たちの位を、高い順番に並べています。(前半)
後宮では、位の序列が権力の強さに大きく影響します。
上から順に、皇后→皇貴妃→貴妃→妃→嬪→貴人→常在→答応→官女子という位が存在し、
入宮した当時は家柄で位が決まりますが、懐妊し皇子や皇女を産むことで位が上がっていくのです。
場合によっては、皇宮で働く官女子であっても、皇帝の寵愛を得て子供を産むことで成り上がることも。
しかし、実際はやはり政治の世界と後宮は隣りあわせ。
『宮廷の諍い女』でも、政治の世界で権力の座を持つ立場が、後宮での位を大きく左右しています。
そんな中で、皇后をしのぐほどの権力を持ち蹂躙していた華妃との闘いを図に表してみました。
【華妃VSしんけいの闘い】を図解解説!
年表に近い形になりましたが、1話~42話までを、まずはまとめてみました。
敵対している妃賓や、位が上がっていく様子が時系列に見てわかるようになっています。
赤文字や赤矢印で示された部分は、主に甄嬛(しんけい)たちに対し、華妃派などから仕掛けられた罠や策略を表します。
ぱっと見ていただいて、次々と仕掛けられる赤色の罠や策略の多さに驚くのではないでしょうか?
3話:後宮指南役といった立場を利用し、気に入らない態度を取った妃賓への残虐な仕打ち
9話:気に入らぬものを陰で暗殺しようとしたり、
10話:直接手を汚さず、甄嬛へ恨みを抱くものへ毒を仕込ませるように仕向けたり、
15話:侍医を囲い込むことで、偽装懐妊の罠を仕込んだり、
17話:王子・王女を毒殺する犯人に仕立て上げられたり、
23話:疫病にかかったものの食器を気に入らない妃賓へ下賜したり、
まさかと思う手段で甄嬛らへ攻撃を仕掛けてくる様子が次々とみて取れます。
そして、青文字や青矢印で示された部分は、甄嬛(しんけい)らが低い立場であっても、知略を巡らし反撃した場面です。
がしかし、寵愛を受け子供が授かり位が上がったとしても、逆に華妃の恨みを買い攻撃は増すばかり。
入宮した当時は純粋で少女のようなあどけなさがあった甄嬛。
華妃派の様々な策略や仕打ちで流産し失意の深みに嵌まったことが、甄嬛の心を鬼にし、
華妃への復讐の覚悟を決めるのです。
華妃が降格し年応答となってからの最後の追い打ち。
曹貴人を味方に引き入れ華妃の悪行を告発
放火事件の逆襲
最後のとどめに歓宜香の秘密を華妃へばらす
絶対的な権力を持つ華妃へ立ち向かっていく甄嬛たち。
息を尽くさぬ攻防に、次はどうなっていくのか!と、寝る間も惜しんでのめり込んで観てしまう、そんなドラマになっています。
華妃は実在していた?本当にこんな悪女だったのか?!
ドラマの中では、皇帝に毒婦と罵られるほどの悪女を蔣欣が演じていましたが、実際に実在していた人物なんでしょうか?
少し調べてみました。
華妃のモデルとなったのは、雍正帝が親王の頃に側室となった敦粛皇貴妃年氏。
雍親王である胤禛には、正室であるウリナラ氏がいましたが、実際に華妃のモデルである年氏が寵愛を受けていたようです。
その証拠に、親王時代に生まれた子供は、すべて年氏の子供。男2女1を産んでいます。
胤禛が雍正帝として即位した際に、年氏は貴妃へ昇格。
しかし数年後には、何人もの子供を失い流産もしていた年氏は身体が弱っており、闘病生活を送っています。
仕事中毒で有名な雍正帝が、年氏のそばに付き添い、最後の5日間は仕事の記録がないほどに想いあっていた状況が見受けられます。
ドラマの中の悪女とは程遠い、雍正帝の年氏に対する愛情を感じますね。
実在はしていましたが、実際に悪女ではありませんでした。
あれだけの所業を起こし自害を命じられたにもかかわらず、亡後に敦粛皇貴妃の称号が与えられたのは、実在する年氏に合わせる為だったということでしょうね。
ちょっとした小ネタ話でしたが、実際とドラマの違いを楽しむのも面白いひとときでした。
後半は、【皇后VSしんけいの諍い】
美しい美女たちが繰り広げる後宮でのドラマ。
機転の良さや知略に飛んだ聡明さも、美しさの一つであることを目の当たりにするドラマでもあります。
壮絶なる闘いで勝ち抜く美女は誰なのでしょうか?
まずは、前半の華妃との諍いを中心にご紹介しました。
後半は、傲慢な華妃に対して起こることもなく、品位高く誰に対しても慈愛をもって接していた皇后との闘いがはじまります。
前半の様子を見ている限りでは、皇后にまさかこんな側面が!と思うような展開となっています。
続きをお楽しみに。
『宮廷の諍い女』甄嬛(しんけい)は実在してた?ドラマと事実の違いを検証!
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『宮廷の諍い女』だれが一番美人なのか?美人女優たちを検証してみた!
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